発達障害とは
発達障害は生まれつきの特性であり、いわゆる「病気」とは一線を画します。
発達障害には、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)などが含まれます。
発達障害は、生まれつき脳の機能の一部に障害があるという点は共通していますが、同じ障害がある人同士でも、まったく違っているように見えることがあります。
個人差が非常に大きく現れるのが、「発達障害」の特徴と言えるでしょう。
こんな症状はありませんか?
- 人とのコミュニケーションが上手くとれない
- 物事に対する興味に偏りがある
- ケアレスミス、物忘れが多い
- 落ち着きがない、時間を守れないとよく言われる
アスペルガー症候群
コミュニケーション能力や社会性、想像力に問題があり、対人関係がうまくいかない、また興味の対象が偏っているという特性があります。
しかし、知的な発達や言葉の発達については遅れが認められません。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
著しい不注意(気が散りやすく、忘れっぽい)や多動(じっとしていられず、落ち着きが無い)、衝動性(考えること無く、思いつきで行動してしまう)という3つの主症状がみられます。
発達障害(アスペルガー症候群、ADHD)の治療
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群のメカニズムはよくわかっていないため、根本的に改善することはできません。
だからと言って放置しておくと、「生きづらさ」を感じたままの状態が続いてしまいます。
そのため、いろいろな経験を積ませて出来ることを増やしていき、学校や社会など集団のなかでも上手に生きていく技術を身につけるよう指導していく必要があります(療育)。
また、ストレス対策も大切ですので、抗うつ薬(SSRI)や抗不安薬などを用いることもあります。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
治療は、環境調整やソーシャルスキルトレーニング(SST)、ペアレントトレーニング、および薬物療法を行います。
環境調整としては、勉強などに集中しないといけない時には、遊び道具を片づけ、テレビを消すなど、集中を妨げる刺激を極力周囲からなくすことが大切です。
また、集中する時間は短めに、一度にこなす量は少なめに設定し、休憩をとるタイミングをあらかじめ決めておくのも効果的です。
ソーシャルスキルトレーニングでは、様々な特性をもつ子どもが、社会や毎日の生活で適切な行動をうまく取れるようにトレーニングしていきます。
ペアレントトレーニングでは、保護者が障害のある子どもとの関わり方や、子育ての仕方を学びます。
注意の仕方やアドバイスの仕方、ほめ方など、主に子どもとの接し方を学びます。
薬物療法としては、脳内の神経伝達機能を改善する治療薬が用いられ、これによって症状をコントロールしていきます。